【パイプ曲げ加工業者必見】パイプ曲げ加工機メーカー3社

Pipe bending machine company

私が使ったパイプベンダーのメーカー3社を紹介します。

パイプを使った製品や部品は多くあります。

自動車のマフラーやガソリンを送るパイプ、建築にかかわるガス配管や水道配管など、流体や気体を送るために使わるだけでなく、椅子や棚などの家具関係ではデザインとパイプの持つ強度を利用した使われ方があります。

これらのパイプは曲がった形が多く、パイプを曲げる機械が必要になります。

しかし、パイプ曲げはかなりニッチな業種で、加工の独特ノウハウが必要なため、パイプを曲げる機械を作るメーカーは少ないですね。

aki

この記事は、私が検討し使ったことがあるパイプベンダーのメーカーを紹介する内容です

この記事を書いている人

  • 当ブログ「アキシブログ/AKISHI blog」の管理人
  • 産業機械メーカー(中小企業)の管理職を22年経験
  • 板金加工機械を購入するために情報収取業務を25年行っています
  • EUROBLECH(ヨーロッパ板金機械展示会)へは2010年から見学に行っています
  • 紹介の3社の訪問実績あります
  • 工作機械が大好きです

この記事を読んで欲しい人

  • 製造業の経営者・管理者や作業者
  • パイプ加工を検討している人
  • パイプ加工機の検討をしている人
  • 機械に興味がある人

パイプベンダーメーカー

オプトン(愛知県瀬戸市)

愛知県瀬戸市にある機械メーカーです。

研究型の企業でパイプ関係の機械だけでなく、サーボポンプやハイドロフォーミング装置なども作ってします。

これは、パイプベンダーを研究しているうちに派生した研究を商品にしたものでしょう。

パイプベンダーは一般的な物から特殊なものまで作っており、中でもロボットベンダーは革新的なパイプベンダーです。

ロボットに曲げ金型がついており、金型の干渉が少なくなる利点があります。

パイプは曲げていくと、機械自身が邪魔になり曲げれなくなることがよくあります。

この問題を解決するために開発した機械でしょう。

イメージとしては、パイプは固定されており、固定されたパイプにロボットが金型を運び曲げていく方法です。(文章だとわかりにくいですね)

また、ロボットは材料ストック置き場から自ら材料を運びセットし、加工後はロボットが搬出することから、大きな自動化装置が無くてもある程度の無人加工が可能です。

非常に興味深い機械になります。

制御基板も自社で製作しているので、スペアーパーツなどは長い年月対応してもらえるメーカーです。

千代田工業(大阪府)

本社は大阪ですが、展示場や工場は静岡県浜松市にあります。

パイプ加工に関する機械(曲げ、絞り、切断、測定)はそろっています。

世界にも輸出しており、実績の多いメーカーで、パイプベンダーもしっかり作られており、小型機から大型機までそろっています。

このメーカーのスピニングマシンを購入して使ったことがあり、とても面白い機械でした。

スピニングマシンはへら絞りの機械で、エアコンなどの部品で銅の冷却用ドライヤーを作る時などに使う機械です。

パイプが漏斗状に加工でき、最終的にはクローズすることも出来ます。

私はこの機械を使って鉄パイプをクローズしましたが、鉄は銅よりはるかに硬いのでメーカーには保証されませんでしたが、機械は壊れませんでしたよ。

千代田工業のパイプベンダーとスピニングマシンを使ったことがありますが、壊れた記憶がないくらい壊れなかったです。

機械をしっかり作るメーカーなんでしょうね。

BLM(イタリア)

パイプベンダーを購入するなら、このメーカーがおすすめです。

大阪に代理店があるので日本でも購入できますよ。

BLMは日本のパイプベンダーメーカーとは会社規模が違い、大企業です。

パイプの事を研究し知り尽くした会社ですが、ヨーロッパには昔から小さなパイプ加工機メーカーがたくさんあり、その会社を統合していって大きくなった会社でしょうね。

もちろんパイプを加工する機械は何でもそろっています。

直径2mのパイプを切断する機械があり、パイプ切断機なのか?3次元レーザー加工機なのか?わからない機械を見たことがあります。

aki

BLMはあくまでもパイプ加工機ですと言っていましたが。

日本メーカーの多くのパイプベンダーは3軸をコントロールして出来ています。シンプルだから日本のパイプベンダーは壊れないのでしょう。

しかし、パイプ曲げ加工は独自のノウハウが必要で、その3軸を微妙に調整して曲げます。

パイプを曲げた時の伸びる部分と縮む部分が微妙に変化するためです。

この変化を金型など位置や圧力などで調整しますが、職人技です。

だから、調整するのに時間と手間がかかり、パイプ加工業者は加工ロットを大きくしたがります。

1本のみの加工をお願いすると、結構高い金額を請求されますよね?

これは調整料金ですね。

機械を調整し図面通りに曲げるには、複雑な形状だと何本も調整とテストを繰り返し、製品にしているわけで、高くなるはずです。

それでも日本では許されたのでしょうね。

BLMパイプベンダーは考えられた機械で、その調整が非常にやり易い機械になっています。

一台のパイプベンダーに対し制御軸数は10個以上持っており、それをサーボモータで制御しているので、微妙な調整をデジタルで行い、再現性も非常に高い機械になっています。

これだけの軸を細かなコントロールを行うことでパイプを曲げるときの微妙な伸びと縮みを逃がしたり押さえたりして、シワと傷の無い曲げ加工を実現しているのでしょう。

この一連のオペレーションは職人でなくても十分でき、経験と勘はデジタルに変わって誰でも曲げれる機械になっています。

また、このデジタル制御は今までネックだった段替え後のリピート品も1本目から図面通りにできる再現性も素晴らしいです。

さらに、右曲げ左曲げを1台で出来ることから、曲げの制限もかなり少なく自由度の高い曲げ加工ができる機械です。

数年前、BLM本社(イタリア)に見学に行った時、50型のパイプベンダー8台生産ラインに並んでいました。すべてアウディのドイツ工場に納入される機械で、その反対側のラインにはベンツのブラジル工場行の機械が並んでいました。

世界の自動車メーカーはBLMのパイプベンダーを使って部品を加工していますね。

パイプ曲げ加工機以外にも、パイプ端末加工機やパイプレーザー加工機もあり、とても興味深い会社ですよ。

BLMのベンダーで曲げたパイプサンプル

まとめ

パイプベンダーメーカーを紹介しましたが、パイプベンダーメーカーは愛知県に多くあります。

昔、一つの会社があり、そこのエンジニアが独立して会社を作りそれを繰り返した結果、愛知県に多いのではないかと推測します。

トヨタも近くにあることから、パイプの需要が多かったのでしょうね。

しかし、私のおすすめメーカーはBLM(イタリア)です。

ただ、機械が安くはないんですよね (笑)

最後まで読んでいただきありがとうございます。