板金加工の板をブランキング加工後、多くは曲げ加工を行います。
曲げ加工を効率的かつ品質良く加工するのに欠かせない機械がプレスブレーキになります。
この記事では、日本で販売している中型(80トンから85トン)の使いやすいプレスブレーキのメーカー5社を紹介します。
この記事を書いている人
- 当ブログ「アキシブログ/AKISHI blog」の管理人
- 産業機械メーカー(中小企業)の管理職を22年経験
- 板金加工機械を購入するために情報収取業務を25年行っています
- EUROBLECH(ヨーロッパ板金機械展示会)へは2010年から見学に行っています
- 企業の中でプレスブレーキを検討、購入していました
- 工作機械が大好きです
この記事を読んで欲しい人
- 製造業の経営者・管理者や作業者
- プレスブレーキを検討している人
- 板金加工の検討をしている人
- 機械に興味がある人
プレスブレーキとは
金属の板を曲げる機械で、メーカーによってはベンディングマシンとも呼ばれていて板金加工業では欠かせない機械の一つですね。
機械は単純で、上金型(パンチ)と下金型(ダイ)のどちらかを上下させ、その間に板を挟み込んで曲げる機械になります。
曲げる板の大きさや厚みによって加工能力も大きくなり、加工能力30トン曲げ長さ1mの小型から、加工能力1000トン曲げ長さ8m大型の機械まで、各メーカー取り揃えています。
今回紹介するメーカーは一般的に多く使われている80トンクラスのプレスブレーキを多く販売しているメーカーの特徴など紹介しますよ。
プレスブレーキメーカー紹介
プレスブレーキの歴史は古く、昔は多くのメーカーがありました。
ただ、技術にこだわりすぎたり、経営が下手だったりして、メーカーが吸収合併されたり、なくなったりして、そのDNAを大手メーカーが引き継ぐことが多いです。
このことより、機械の作りを見ると過去のメーカーの技術が受け継がれていることがわかりとても面白いです。
アマダ(日本)
日本で板金加工を行っている人でアマダを知らない人はいないと言われれるくらい大手メーカーです。
中型プレスブレーキは大きく3種類ありますが、HBBの位置づけがよくわかりません。
HGとHDで十分だと思います。
アマダはコントロールソフトがとてもうまく出来ています。
これは開発者が使い勝手を良く考慮した結果でしょう。
ただ、フレームの構造計算は十分されていますが、組み立て式なので弱いです。
薄い板を曲げるには問題ないですが、板が厚くなればフレームが負けることもあるかもしれません。
金型は昔からある中間板タイプのスタンダード金型と段取り性が良いモジュラー金型の2種類から選べます。
機械メンテナンスも充実しており、安心して使えます。
トルンプ(ドイツ)
アマダと並ぶ世界の板金メーカーの一社です。
トルンプの中型プレスブレーキ(TruBend5085)はフレームを一体の鋳物から5面加工機で削りだしており、とても頑丈なフレームになっています。
コントロールは英語を日本語に無理やり翻訳した感じがあり、好き嫌いがはっきりします。
金型はモジュラータイプしかなく、アマダから買い替えをした場合、金型が使えないことがあります。
このモジュラータイプの金型は、各社取り付けれるようになしましたが、トルンプの機械は剛性が強いことから、板を曲げた時、金型のつなぎ目がほとんどわかりません。
こだわりが強く、きれいな製品を作りたい企業には検討してもいいメーカーです。
ブレーキプレスは壊れにくい機械ですが、トルンプもサービス体制は充実しています。
村田機械(日本)
中型プレスブレーキの最新型はサーボモータを使って位置決めし、コントロールは大型モニターの機械があります。
この機械は角が取れた無難な機械ですが、逆に言えば村田機械らしさがない機械です。
その他にも3ポイント曲げを採用し繰り返し精度にこだわる機械もあり、これはマル機械の技術が入っています。
自動金型交換の機能を持っているものはありますが、金型幅は手動になるので使い勝手は微妙です。
3ポイント曲げの機械は、こだわりのあるユーザーから未だに人気があります。
バイストロニクス(スイス)
バイストロニクスでは80トンが小型機のカテゴリーに入り、曲げ長さ1530mmになります。
ロボットの取り付けが簡単にできることがセールスポイントです。
また、独自のアルゴリズムを使って、今まで曲げたデーターから、曲げ長さが変わっても加圧調整を必要としない機能などがあります。
ヨーロッパでは、ある程度売れていますが、日本国内の販売実績は少なく、メンテナンスの課題が残るでしょう。
特に電機系の部品は日本の高温多湿に耐えられるかが気になります。 フレーム自体はしっかりした作りにはなっています。
これから売れるかもしませんね。
コマツ産機
コマツ産機の中型プレスブレーキもサーボモータで油圧シリンダーを制御していて高効率、高精度な曲げ加工ができる。
プレスブレーキに大きな特徴は見られず、現在使用している機械がコマツなのでそのままコマツに入れ替えるユーザーが多い。
日本製の部品を使っているので、部品供給は問題ないが、メンテナンス技術者の対応は気になります。
コマツからアマダに変えてやっぱりコマツに戻した企業もありました。
作業者の慣れですかね?
その他
サルバニーニは残念ながら100トン以上しかないので今回は取り上げませんでした。
ヨーロッパのサファンはプレスブレーキをベルトで上下させるという驚きの機構で作られています。日本でも代理店が出来て販売してほしいメーカーですね。
どちらも、ヨーロッパのメーカーですが、変わった機械を作りますね。
プレスブレーキメーカーは減ったと言っても、まだヨーロッパ、中国、トルコ、などに、たくさんあります。
見ていてとても面白い機械ですが、日本では販売していないので残念です。
まとめ
板金加工で欠かせないプレスブレーキの中型(80トンクラス)を日本で販売しているおすすめメーカーを紹介しました。
どこのメーカーを使っても曲げ加工は十分できますが、それぞれ特徴があるので各企業の生産状況にあった機械を選定することをお勧めします。
日本人はアマダが多いですけどね。
東南アジアでは、中国製の格安プレスブレーキを使っている企業が多くあります。
その会社と競争するために、我々はもっとモノづくりを勉強しなければなりませんね。
最後まで読んでいただきありがとうございいます。
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