「これからはDXだ」と意気込んで全社員にタブレットを配ったものの、結局埃を被っている…… 。そんな失敗を避けるためには、現場の心理的抵抗に配慮した「段階的」なステップが不可欠です 。
1. 【前提】デジタル化は、すでに私たちの「日常」にある
「現場がデジタルに馴染めるだろうか」と不安に思う必要はありません。 今や、世の中のほとんどの人がスマートフォンを使いこなし、LINEで毎日のように情報交換をしています。つまり、社員の皆さんはすでにデジタルへの対応能力を十分に持っています。
大切なのは、現場に導入する仕組みを、スマホやLINEと同じくらい「直感的で簡単」なものにすることです。特別な教育がいらないほどシンプルな入り口を用意し、使う人が「便利だ」「楽になった」というメリットを即座に感じられる設計にすれば、デジタル化は自然と成功へ向かいます。
2. 【ステップ1】「閲覧」から始める:紙の山からの解放
最初から複雑な入力を求めず、まずは「見るだけ」の道具として定着させます 。
- 図面のデジタル化: 重い図面ファイルを探し回る手間をなくし、最新の図面をその場で確認できるようにします 。
- 動画マニュアルの視聴: ベテランの技を記録した動画を、作業台でいつでも見られる環境を作ります 。
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- メリットの体感: 「探す手間が省ける」「手が汚れていても拡大して見られる」という、LINEを使うような気軽さで利便性を実感してもらいます 。
3. 【ステップ2】「簡単な報告」へ:情報のリアルタイム共有
閲覧に慣れてきたら、次は「ボタンを1つ押すだけ」の操作を追加します 。
- 進捗のチェック: 「開始」「終了」のスタンプを送るような感覚でボタンを押し、事務所へ進捗を伝えます 。
- 写真による記録: 不具合や加工のポイントを写真で撮り、社内で共有します 。言葉で説明するより正確で早いことを体験してもらいます 。
4. 【ステップ3】「データの活用」へ:現場が自ら改善する道具に
最終的には、タブレットを現場が「稼ぐための武器」に変えていきます 。
- 稼働状況の確認: 自分の機械の稼働率をデータで見直し、チームで改善を話し合う材料にします 。
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- 情報の双方向化: 現場からの「逆提案(フィードバック)」をタブレット経由で設計へ送るなど、部署間の壁を取り払います 。
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まとめ:デジタル化は「人に優しい」仕組み作り
タブレット導入の本質は、IT化そのものではなく、現場の「面倒」を取り除くことにあります 。 日常で使っているスマホのように、「あって当たり前」の便利な道具として浸透させる。経営者が現場のメリットに寄り添いながら進める「段階的DX」こそが、強い板金工場を創る王道です 。










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