「うちは腕が良いから大丈夫だ」 かつては、難しい図面を形にする卓越した技能こそが、最大の営業力でした。しかし、工作機械の進化やデジタル化が進む今、技術力は「あって当たり前」の前提条件になりつつあります。
これからの時代、技術に加えて何が必要なのか。生き残り、勝ち続ける工場に共通する「技術以外の武器」についてお話しします。
1. 「提案力」という付加価値
顧客が求めているのは、図面通りの製品だけではありません。「もっと安く、もっと早く、もっと高品質に」という課題に対する答えです。
- VA/VE提案の徹底: 別のコラムでも触れた通り、加工のプロとして設計に踏み込み、コストダウンを提案できる能力。
- 情報の提供: 納期回答の速さや、進捗の透明性。これら「目に見えないサービス」が、顧客にとっての安心感となり、他社への乗り換えを防ぐ強力な壁となります。
2. 「納期遵守」と「レスポンス」の仕組み
いくら技術が素晴らしくても、納期がルーズであったり、連絡が遅かったりすれば、次回の注文は遠のきます。
- DXによる管理の徹底: 別のコラムでお話した「生産管理システム」を活用し、理論に基づいた確実な納期回答を行うこと。
- 組織的な対応: 特定のベテランにしか状況がわからない状態を脱し、誰もが迅速にレスポンスできる体制を整えることが、技術力以上に評価される時代です。
3. 「見せる化」による信頼の構築
工場の「中身」を正しく伝える能力も、これからの経営には欠かせません。
- 工場のブランディング: 以前のコラムでお話した「新工場建設」や「レイアウト改善」は、最高の営業ツールです。整理整頓され、動線が確保された現場を顧客に見せることで、「ここなら安心して任せられる」という論理的な信頼を勝ち取ることができます。
まとめ:技術を活かすための「経営の器」
技術力は、いわば「エンジン」です。しかし、どれほど強力なエンジンでも、それを支える車体(組織・仕組み)と、正しい方向へ導くハンドル(戦略)がなければ、目的地には辿り着けません。 技術力を宝の持ち腐れにせず、最大限に収益化するための「仕組み」と「発信力」。これらを整えることこそが、現代の板金工場経営における真の勝負どころです。











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