「うちも技能評価シートを導入したが、結局うまく運用できていない」 「評価をつけても、社員から不満が出るだけでモチベーションが上がらない」
精密板金加工の現場で公平な評価を行うのは難しいものですが、それ以上に深刻なのは、**「評価をつけること自体が目的」**になってしまっているケースです。
評価はあくまで手段。今回は、評価制度が形骸化する根本的な原因と、上司が本来果たすべき役割について解説します。
1. 「評価」が目的になり、「育成」を忘れている
多くの現場で、評価が単なる「ランク付け」や「給与決定の儀式」に成り下がっています。
- 問題点: 「点数をつけたから終わり」と考え、その後の育成プランが放置されている。
- 本来の姿: 評価は、部下の現在地を知るための「診断」に過ぎません。その診断をもとに、どうやって次のステップへ引き上げるかという「処方箋(育成)」こそが本番です。
「評価=手段」であり、「目的=人を育てて組織を強くすること」であるという優先順位を見失っていないでしょうか。
2. 「部下は勝手に育つもの」という上司の勘違い
現場リーダーや中間管理職の中に、「自分たちは背中を見て育った。今の部下が育たないのは、本人にやる気やセンスがないからだ」と決めつけている人はいませんか?
- 上司の誤解: 「育たないのは部下の責任」と考え、教育を放棄している。
- 上司の真の仕事: 組織がより多くのアウトプット(利益・成果)を出すためには、部下を成長させることが不可欠です。部下を育てることは、上司にとって「片手間の仕事」ではなく、**「最も重要な任務の一つ」**です。
「部下が勝手に育つ」のは稀なケースです。意図的に、仕組みとして育てる環境を作るのが上司の役割です。
3. 評価基準が曖昧で「納得感」がない
評価項目が具体的でないと、部下は「何を頑張ればいいのか」がわかりません。
- 改善策: 「段取りが早い」といった主観的な表現ではなく、「15分以内に3工程の段取り替えができる」といった数値や行動で定義しましょう。
- 効果: 基準が明確になれば、上司も「ここが足りないから、このトレーニングをしよう」と具体的な育成指導ができるようになります。
まとめ:評価制度に「魂」を吹き込むために
形骸化した評価制度を立て直すには、上司(評価者)の意識改革が不可欠です。
- 評価を「人を育てるための対話」のきっかけにする
- 上司は「部下の成長が自分の成果」であると自覚する
- 「なぜ育たないのか」を仕組みの課題として捉える
「評価する側・される側」という対立構造ではなく、「共に組織のアウトプットを最大化するチーム」として評価制度を運用できれば、現場の活気は劇的に変わります。











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