「若手が入ってきても、1年も経たずに辞めてしまう」 「求人を出しても反応がないし、入っても長続きしない」
人手不足が深刻な精密板金業界において、若手社員の定着は避けて通れない最優先課題です。給与や休日の条件も大切ですが、実は若手が「ここで一生働こう」と思えるかどうかは、現場のもっと根本的な部分に隠されています。
今回は、若手が離職してしまう工場に共通する「3つの問題」を、今の時代の価値観から紐解きます。
1. 「見て覚えろ」という教育の不在
今の若手世代は、効率的な学習に慣れています。そんな彼らが現場で最も不安を感じるのは、「何をすれば成長できるのかがわからない」状態です。
- 問題: 教育カリキュラムがなく、その日の気分で作業を割り振られる。
- 若手の本音: 「いつまでたっても技術が身についている実感が持てない」「このままここにいて大丈夫だろうか?」
「技は盗むもの」という古き良き職人文化は、教育体制が整っていないことの言い訳になっていないでしょうか。ステップアップが可視化されていない現場からは、意欲のある若手ほど早く去っていきます。
2. 「なぜこの作業をするのか」の目的共有がない
板金加工の現場では、バリ取りや単純な抜き加工など、地味で根気のいる作業が続きます。
- 問題: 「いいから言われた通りにやれ」と、作業の背景や製品の価値を説明しない。
- 若手の本音: 「自分はただの作業の駒なのか?」
自分の仕事がどの製品の一部になり、最終的にどんな社会の役に立っているのか。この「仕事の意義」を感じられない現場は、若手にとってただの「退屈で辛い場所」になってしまいます。
3. 「理不尽な精神論」が残る現場の空気感
今の時代、若手は「理不尽」に対して非常に敏感です。
- 問題: ミスをすると仕組みの改善ではなく個人の人格を否定するような叱責を受ける、あるいは、改善を提案しても「まだ早い」と切り捨てられる。
- 若手の本音: 「この環境で、あの上司のようになりたいとは思えない」
「背中を見て憧れるリーダー」がいない、あるいは現場の空気が常に張り詰めている工場では、若手は自分の未来を重ねることができません。
まとめ:若手は「成長」と「納得」を求めている
若手が辞める理由は、単なる「根性不足」ではありません。 彼らは、「自分がこの会社でどう成長し、どう貢献できるか」という明確なロードマップと納得感を求めています。
- 技能習得を「仕組み(教育プログラム)」にする
- 仕事の「価値」を伝え、承認する文化を作る
- 「尊敬できるリーダー」を育てる環境を整える
これらを変えることは容易ではありませんが、ここに向き合わない限り、工場の未来はありません。まずは現場の「当たり前」を、若手の視点で疑ってみることから始めてみませんか。











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