【製造業管理者必見!】部下の報連相が出来ないのは上司のせい?

部下の報連相が悪いと嘆く上司の方は多いです。

しかし、その理由は上司が悪いのではないでしょうか?

上司の能動的傾聴が部下の報連相を変えます。

部下が報連相を行いたくなる上司になるために、能動的傾聴を紹介します。

aki

私の管理職時代の上司と部下とのやり取りで紹介しますね。

この記事を書いている人

  • 当ブログ「アキシブログ/AKISHI blog」の管理人
  • 産業機械メーカー(中小企業)の管理職を22年経験
  • メーカーにて部下育成を行うと同時に部下育成方法を指導していました
  • モノづくり現場の人材教育、生産性改善などのセミナーで講師を務めています

この記事を読んで欲しい人

  • 製造業の管理者や管理者候補
  • 最近部下からの報連相が無いと悩んでいる人
  • 部下育成に悩んでいる人
  • 報連相を管理職に教えたい人

報連相とは

まずは定義を確認しましょう。

報連相とは仕事を円滑に進める上で重要とされる「報告」「連絡」「相談」を略した表現です。

会社ではチームで仕事をします。チームワークです。

チームワークはとても大切で、そのチームワークでは適切なコミュニケーションが必要です。

コミュニケーションの手段の一つが報連相になります。

報告とは

報告は部下から上司への行われることが多いですね。

特に上司からの指示や命令に対し、今どうなっているのかを知らせることが報告になります。

○○は終わりました。○○は〇〇になりました。といった完了形になることが多いです。

後輩から先輩への報告もあります。

連絡とは

情報を関係者と共有するために知らせること

自分の意見や思いは入れず、あくまでの情報のみを伝えることになります。

これは上司と部下や先輩から後輩にかかわらず、総務から全社員、〇〇委員会から製造部へなどといった上下関係ない場合もあります。

もちろん上司から部下への連絡もありますよ。

相談とは

判断に迷うときや、意見を聞いてもらうときに上司や先輩、関係者や第三者などにアドバイスをもらうことです。

相談は自分より経験が多い人にすることが多いでしょう。

報連相を受ける側の態度が重要

aki

あなたは能動的傾聴が出来ていますか?

まずは、「きく」時に自分モードなのか相手モードなのかを判断してください。

自分モード:意識が話している相手ではなく、自分に向いている状態

相手モード:意識が100%、話をしている相手に向いている状態。相手の言葉だけでなく伝えたい感情や思いまで感知している状態

相手を尊重し、積極的に相手の話を聞き受け入れ、相手が落ち着いて安心して話せるように聴くようにしましょう。

私が見た悪い事例

部下

お忙しいところ時間をいただきましてありがとうございます

上司

大丈夫だよ。今ちょうど切りがついたから、何だった?

部下

私の提案なのですが、工場の設備について新しい機械に更新して、生産性向上が図れないかと考えて・・・

上司は部下が話を終えていないのに話し出す。パソコン作業しながらで部下の顔は見ていない。

上司

あれの事だろ!第一工場のパンチングマシンね。あれ少し古くなってきたかな。でもさ、今、会社の状況厳しいからね。君も今期の売上減少は知っているだろ?経費を削減しろって役員がうるさくてさ、このままじゃ経費削減目標達成できないよ。機械の更新なんて無理だよ

部下

しかし、あの機械は購入してから20年経っていて、メンテナンス費用がかかりますし、そもそもコントロールのOSが世間ではついていけないレベルですよ。

上司

あの機械は頑丈だから大丈夫だって、みんなで頑張って修理すればいいだろ。新しい機械にしたら、また、みんな勉強しなくちゃ使えないぞ。そんな時間無いだろ

部下

は、はい、時間はあまりないですが、修理に時間を取られたり、完全に生産がストップしてからの対応では遅いのでは・・・

上司

そうは言うけど、オレは役員に言えないよ。みんなの気合と根性で乗り切れるだろ。 みんなでがんばれよ。愚痴ならいつでも聞くから、また今度にしてくれないか

部下

わかりました・・・

aki

この上司は、なんでも聞くと言って、自分を相談にのれる上司と思っていますが、部下はこれからも報告や相談に行くのでしょうかね?

どうですか?こんなことになっていませんか?

まずは、受け入れる、評価しない、否定しないことが大切です。

  • 相手の言い分や気持ちを受け入れる
  • 賛成、賛同することではない
  • それを自分なりの言葉で表現する、フィードバックする
  • 最後までしっかり聴く

こんなことを気にして改善した会話を見てみましょう。

話しやすい状況を作った事例(能動的傾聴)

部下

お忙しいところ時間をいただきましてありがとうございます

上司

大丈夫だよ。今ちょうど切りがついたから、何だった?

部下

私の提案なのですが、工場の設備についてですが、新しい機械に更新して生産性向上が図れないかと考えています

上司

どうゆうこと?もう少し詳しく説明してくれる

上司は部下に対して正対し、作業は完全に止めている

部下

はい、第一工場のパンチングマシンですが、購入してから20年経ち、修理も増え、コントロールのOSも世間では全くついていけないレベルの物です。生産性はかなり悪いのではと考えています。

上司

20年か、かなり古いね。修理もかなり多いんだね。ただ、今期の売上減少と経費削減目標は君も知っていると思うけど、機械更新は高額な設備投資になるよね。

君はどう考えているんだい

部下

はい、売上減少の事実も、経費削減目標も知っていますが、あの機械の修理に高額な修理代が発生していますし、今後も修理費は多くなります。長期スパンで考えると経費が多くかかると考えています。

また、機械が完全に壊れて生産がストップして場合、商品が作れなくなり、売る物が無くなる可能性もあります。

新しい機械は高効率で現在の商品原価を下げれることもあります。

上司

なるほど。新しい機械でメンテ費用削減と製造原価削減で売り上げは下がるが利益を確保することが出来るかもしれないな。もう少し具体的な数字を出してくれないか?

部下

わかりました!いつまでに数字を出せは良いでしょうか!

上司

そうだな、今週末までに出してほしいな。その後、私の意見もつけて今月の役員会の資料につけよう。高額投資だから役員判断になるけど私もフォローするよ

承知しました!今週金曜日までに資料はお持ちます

上司

頼んだよ。君の提案はいつも会社の未来を考えた提案で素晴らしいよ。

今後もどんどん提案をしてくれると、私もうれしいよ。これからもよろしく!

部下

はい!提案聞いていただきありがとうございます!

この状況をまとめました。

  1. 積極的に聴く 姿勢(顔、体の向き、背筋)表情、態度(手、足、ふるまい)に注意(いかに相手が安心して話せるか)して聴く
  2. 反応する うなずく、あいづちをタイミングよく打つ、表情で反応する。相手の大事な言葉(特に感情面)を伝え返す。オウム返し
  3. 受け入れる 評価、判断、否定せず、最後まで聴く。相手の主張や気持ちを受け入れる(賛成はしない)
  4. 共感する 事柄だけでなく、感情などにも注意して、よく聴く・観る・感じる、感情を感じとる
  5. フィードバックする 相手の気持ち、言いたい事について自分が受けとめたことを自分の言葉で返す(または確認する)

こんな感じで聴けるといいですね。

まとめ

部下が報連相をしない理由は上司の聴く態度や、周りの環境が大きく影響することがあります。

話しやすい環境をいかに作るかは上司の重要な仕事の一つでしょう。

まずは、あなたが変わり、その影響で周りの環境も変われば部下も報連相を行のではないでしょうか?

他人と過去は変えれず、変えれるのは未来と自分というように、自身の「きく」態度を見直し、今から能動的傾聴にチャレンジしてみてください。

きっと良い結果が得られますよ!

最後まで読んでいただきありがとうございます。