「新しい機械を導入したが、支払いに追われて利益が出ている実感がない」 「この設備投資、本当に元が取れるのはいつになるのか……」
板金工場の経営者にとって、設備投資は最大の勝負所です。しかし、回収計画が甘いと、最新鋭の機械が逆に資金繰りを圧迫する「金食い虫」になってしまいます。
投資した資金をいかに早く回収し、次の投資や利益に回せるか。今回は、回収期間を最短にするための重要な考え方を解説します。
1. 「夜間・無人運転」を前提とした投資計画を立てる
回収期間を短くする最もシンプルな方法は、「機械が稼働している時間を増やすこと」です。
人件費がかかる日中の稼働だけでローンを返そうとすると、計算が非常に厳しくなります。
- 失敗するパターン: 機械単体で購入し、人がいない夜間は止まっている。
- 成功するパターン: パレットチェンジャーや長尺対応の自動供給装置をセットで導入し、夜間の「寝ている間」に機械に稼ぎ続けさせる。
「機械が勝手に稼ぐ時間」を作れるかどうかが、回収スピードを2倍、3倍に変える決定的な差となります。
2. 「高付加価値・特急案件」を狙い撃ちする
最新設備を入れるメリットは、スピードだけではありません。 「今までの機械ではできなかった加工」や「圧倒的な短納期」が可能になることです。
- 差別化: 従来は外注していた難削材や厚板の切断を内製化し、外注費を利益に変える。
- 特急料金の適正化: 最新機のスピードを活かして、他社が断る短納期案件を「特急料金」で受注する。
「今までと同じ単価の仕事を、ただ速くこなす」だけでは回収は進みません。**新設備だからこそ得られる「プラスアルファの付加価値」**を価格に乗せる姿勢が不可欠です。
3. 「工程の集約」で前後の人件費を削る
設備投資の回収を考える際、その機械の「加工費」だけを見てはいけません。その機械を導入したことで、**「前後の工程がどれだけ楽になったか(コストカットできたか)」**を合算すべきです。
- 例: レーザーの切断面が綺麗になったことで、次工程の「バリ取り」や「磨き」の時間が半分になった。
- 例: 曲げの精度が上がり、溶接の「合わせ作業」がスムーズになった。
こうした「見えない工数の削減」をしっかり利益としてカウントし、余った人力を他の生産的な仕事に回すことで、工場全体の回収スピードは加速します。
まとめ:設備投資は「攻め」のシミュレーションを
投資回収期間を短くするためには、機械を導入する前の「使い倒すイメージ」が重要です。
「機械がいつか元を取ってくれる」のを待つのではなく、こちらから「最短で回収するための仕組み」を仕掛けていく。この攻めの姿勢が、健全な財務体質と次への投資余力を作ります。
【投資回収のシミュレーション、一緒に考えませんか?】
「メーカーから提示された回収計画が現実的か見てほしい」「自社の仕事内容で無人運転がどこまで可能か知りたい」といったご相談も大歓迎です。 私、昭四郎が、実体験に基づいた「机上の空論ではない回収計画」のアドバイスをさせていただきます。











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