設備投資の検討を始めると、メーカーや商社から魅力的な提案書が届きます。 「この機械を入れれば、これだけ生産性が上がります」 「今なら補助金も使えて、実質負担はこれだけです」
彼らはその道のプロですが、同時に「自社の機械を売ること」が目的であることも忘れてはいけません。言われるがままに導入を決め、後から「こんなはずじゃなかった」と後悔する会社は少なくないのです。
今回は、メーカーの提案を客観的に評価し、自社に最適な選択をするための「5つのチェックリスト」をお届けします。
1. 「最速スペック」ではなく「平均的な仕事」で比較したか?
メーカーのデモンストレーションは、その機械が最も得意とする条件(薄い板、単純な形状など)で行われます。
- チェック: 自社で最も受注が多い材質・板厚、あるいは最も手こずっている形状の図面を持ち込み、実際に加工してもらったか?
2. 「オプション無し」の価格に惑わされていないか?
本体価格が安く見えても、実際に自社の仕事を回すために必要な「自動化装置」「金型」「ソフトウェア」「運送・据付費」を含めると、予算を大幅に超えることが多々あります。
- チェック: 「稼働できる状態にするまでの総額(乗り出し価格)」で比較しているか?
3. 「メンテナンス体制」は自社エリアで万全か?
機械の性能も大事ですが、故障時にどれだけ早く駆けつけてくれるかは死活問題です。
- チェック: 自社の拠点から一番近いサービスセンターはどこか?そこに何名のサービスマンが常駐しているか?
4. 「既存の設備・ソフト」との互換性はあるか?
新しい機械だけが突出して高性能でも、既存のCAD/CAMや前後工程と連携できなければ、工場全体の効率は上がりません。
- チェック: 既存のデータはそのまま使えるか?データの変換に余計な工数がかからないか?
5. 「導入後のトレーニング」は十分か?
高機能な機械ほど、使いこなすまでに時間がかかります。
- チェック: オペレーター向けの講習は何日間あるか?導入から半年後、1年後の「使いこなし」をサポートしてくれる仕組みはあるか?
まとめ:決定権は常に「現場のリアル」に置く
メーカーの提案は、あくまで「理想的な状態」を前提としています。それを受け止めた上で、自社の現場という「現実」に照らし合わせ、厳しくチェックするのが経営者の役割です。
大きな買い物だからこそ、一時の勢いや営業トークで決めず、このチェックリストを活用して冷静に判断してください。











モノづくりが好きです。モノづくりに関する記事を紹介します