【初心者向け】板金加工の基礎知識をわかりやすく!身近なアレもコレも板金製品?

「板金加工」って聞いたことありますか?もしかしたら、あまり馴染みのない言葉かもしれませんね。でも実は、私たちの身の回りのあらゆる製品に深く関わっている、とても大切な技術なんです!

例えば、毎日使っている家電製品のボディ、自動車の車体、建物の屋根や壁、おしゃれな家具の一部にも、板金加工の技術が使われています

この記事では、板金加工がどんな技術で、どのようにして金属の板が私たちの使う製品に変わっていくのか、初心者の方にも分かりやすく解説していきます

板金加工って、そもそも何?

金属の「板(いた)」を、切ったり、曲げたり、穴を開けたり、くっつけたりして、特定の形に加工する技術のことです。加工材料は薄い板になります。専門的に言うと鋼板、ステンレス板、アルミ板、銅板などが対象になりますね

平らな金属板が、立体的な製品に生まれ変わる魔法のような加工ですよ

板金加工のメリット

一番は軽量化ですね。中が空洞の構造も作れるため、重くなりがちな金属製品を軽量に出来ます

設計に自由度が生まれます。さまざまな形に加工できるため、複雑な形状やデザインにも対応可能です

コストを安くできます。金属を使う量も比較的少なく、量産性にも優れており、比較的安価に製品を作ることができる場合があります

金属なのでリサイクルしやすいですね。今の時代は重要なメリットになります

板金加工の主な工程をみてみよう!

大まかな工程としては、「切る」 →「 曲げる」 → 「くっつける」になります

それではもう少し詳しく説明しますね

切断(切る)
  • シャーリング: まっすぐなハサミのように切ります
  • レーザー加工: レーザー光線で複雑な形や細かな部分も切ることが出来ます
  • タレットパンチプレス(タレパン加工): 金型を使って色々な形の穴を開けたり、形をくり抜いたりすることが出来ます
穴あけ(穴を開ける)
  • ボール盤加工:切断工程のタレパン加工でも行いますが、穴をあけたり、タップ(ねじ切り)を行うこともあります
バリ取り(バリを取る)
  • 手作業:ヤスリやペーパーヤスリなどを使って手でバリを取ります。細かな調整は出来ますが、時間がかかります
  • ブラシ式バリ取り機:ブラシを回転させてバリを取る方法です。効率的にバリが取れるため大量生産に適しています
  • 砥粒加工:サンダーや研磨ホイールを使ってバリを削る方法。仕上げ加工にも利用されます
曲げ(曲げる)
  • プレス:単動プレス、シングルアクションプレスと呼ばれていて、クランク機構や油圧機構、サーボモーター機構などを使って、セットされた金型で曲げ加工を行います
  • ブレーキプレス:板金加工と言えば、プレスブレーキを思い浮かべる人が多いですね。機械の上下に金型をつけて板を折り曲げます。油圧式、機械式、サーボモーター式、ハイブリット式などの種類があり、精密な曲げ加工ができます
  • パネルベンダー:パネル専用の曲げ機械になります。加工スピードはかなり速く、大きな製品も楽に曲げることができます。ただ、パネル形状でないと曲げれないため制約は大きくなりますね
接合・溶接(くっつける)
  • 溶接: 熱や圧力で金属同士を溶かして接合する。丈夫にしたい部分に使われるます。TIG溶接、MIG溶接、CO2溶接、スポット溶接、レーザー溶接など様々な溶接方法があります
  • リベット留め、ねじ止め: 溶接は技術が必要なことと、溶接の熱により金属が歪むやすく、金属組織も悪くなることがあるので、溶接以外での接合方法がリベットやねじによる接合になります。溶接より手軽にできますが、強度はリベットやねじに依存するので、強い強度を求めるときは適さないときもあります
その他(表面仕上げなど)
  • 塗装:塗料を表面に塗布し、乾燥焼き付けをします。防錆、装飾、耐候性の向上が目的になります
  • メッキ:金属の薄膜を化学的または電気的に付着させます。耐食性の向上、装飾、機能付与(導電性・耐摩耗性など)が目的になります

どんな製品に「板金加工」が使われているの?

  • 自動車部品: 車のボディ、内部フレームなど
  • 家電製品: 冷蔵庫、洗濯機、電子レンジ、パソコンの筐体など
  • 建築・設備: エレベーター、換気扇フード、配電盤、空調ダクトなど
  • 医療機器: 病院のベッド、医療事務機器など
  • 店舗什器: 陳列棚、レジカウンターなど
  • 日常品: 金属製のケース、収納ボックス、ゴミ箱など

まとめ

板金加工でできた製品は、私たちの生活には欠かせないものの中に多く組み込まれています

これらの製品がなければ、私たちの現代生活は成り立たないと言っても過言ではありません。板金加工は、それら多くの製品の「骨格」や「外装」を形作る基礎的な技術だからこそ、必要不可欠なのです

板金加工製品は、私たちの生活を豊かにし、産業を動かす上で必要不可欠な存在です。金属の持つ優れた特性を最大限に引き出し、効率的かつ精密に、そして多様なニーズに応える形で製品を供給できる板金加工を今回のBLOGで理解していただければ幸いです

最後まで読んでいただき感謝いたします